指圧師に役立つ解剖学「脊柱」

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■ 脊柱の全体像

頚椎(Cervical vertebrae)

  • 椎間関節の角度:おおよそ45度。
  • 上関節突起は後方および上方に向かい、下関節突起は前方および下方に向かいます。広範な屈曲、伸展、回旋が可能。

胸椎(Thoracic vertebrae)

  • 椎間関節の角度:おおよそ60度。
  • 上関節突起は後方に向かい、下関節突起は前方に向かいます。
  • 屈曲と伸展は可動域が少ない。上部胸椎では回旋の可動域が大きい。

腰椎(Lumbar vertebrae)

  • 椎間関節の角度:おおよそ90度。
  • 上関節突起は凹面で内側を向き、下関節突起は凸面で外側を向きます。
  • 屈曲と伸展は可動域が大きいが、回旋の可動域は制限される。

頚椎

  • 環椎(C1)には椎体がなく、代わりに前弓と後弓があります。後弓に後結節があり、前弓に前結節があります。
  • 軸椎(C2)は歯突起を持ち、前関節面は環椎の歯突起窩と関節します。歯突起の後関節面には、環椎横靱帯が接します。

胸椎と腰椎

胸椎の関節面の数

  • 第1胸椎〜第9胸椎:10面
    (上関節突起, 下関節突起, 上肋骨窩, 下肋骨窩, 横突肋骨窩)
  • 第10胸椎:8面
    (上関節突起, 下関節突起, 肋骨窩, 横突肋骨窩)
  • 第11, 12胸椎:6面
    (上関節突起, 下関節突起, 肋骨窩)

胸郭と脊柱

■ 脊椎高位

肩甲棘 → T3
肩甲骨下角 → T7
胸骨柄上縁 → T2〜T3
剣状突起 → T9〜T10
胸郭下縁 → L2〜L3
ヤコビー線 → L4

■ 各部位の棘突起の特長

頚椎の棘突起

  • 頚椎の棘突起は短く、二又に分かれた形状をしています。水平に近い角度で後方に伸びています。
  • 第7頚椎は他の頚椎とは異なり、棘突起が長くて、触知しやすい。

胸椎の棘突起

  • 胸椎の棘突起は長く、細長い形状をしており、後方および下方に向かって鋭角に伸びています。この傾斜により、中部の胸椎(T5〜T8)では棘突起が重なり合うように配置されています(瓦状配置)。

腰椎の棘突起

  • 腰椎の棘突起は短く、厚みがあり縦方向に平らな形状をしています。
  • 水平に近い角度で後方に伸びる。
  • 腰椎の棘突起は非常に堅固で、筋肉と靭帯の付着点として重要な役割を果たします。

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