指圧師に役立つ解剖学「顔面部と頚部の神経」

▶ 表情筋に分布する顔面神経 VII

顔面神経は脳幹の橋から出発し、内耳道を通過して顔面神経管を進みます。大錐体神経(涙腺鼻腺への副交感)、アブミ骨筋神経、鼓索神経(舌前2/3味覚、顎下腺舌下腺副交感)を分岐した後、表情筋を支配する運動成分が茎乳突孔(乳様突起と茎状突起の間)を通って頭蓋骨外へ出ます。

  • 茎乳突孔を出た顔面神経は耳下腺を貫通しながら分岐し、顔面の表情筋へと分布します。
  • 側頭枝:前頭筋や眼輪筋の上部を支配
  • 頬骨枝:眼輪筋の下部や頬骨周辺の表情筋を
  • 頬筋枝:頬筋、鼻筋、口角挙筋など、頬や口の周りの表情筋を支配
  • 下顎縁枝:口輪筋の下部やオトガイの筋を支配します。
  • 頸枝:広頚筋を支配。

▶顔面部の皮膚感覚は三叉神経 V

顔面部の皮膚には、三叉神経(第五脳神経)の枝が分布しています。三叉神経は、眼神経、上顎神経、下顎神経の3つの主要な枝に分かれ、それぞれが異なる領域の顔面部皮膚に感覚を供給します。

  • 眼神経V₁の終枝、眼窩上神経は眼窩上孔から出て、前額部の皮膚を支配します。
  • 上顎神経V₂の終枝、眼窩下神経は眼窩下孔から出て、上唇や頬部の皮膚を支配します。
  • 下顎神経V₃の終枝、オトガイ神経はオトガイ孔から出て、下唇やオトガイ部の皮膚を支配します。

▶大後頭神経 C2後枝

大後頭神経は、後頭神経痛の原因となることがあります。これは大後頭神経が刺激または圧迫されることによって引き起こされる痛みで、後頭部から頭頂部にかけての鋭い、電撃的な痛みが特徴です。また、首の筋肉の緊張や炎症が神経を刺激し、頭痛を引き起こすこともあります。

▶小後頭神経 C2前枝

小後頭神経の障害や圧迫は、後頭部や耳の周りに痛みやしびれを引き起こすことがあります。このような痛みは、小後頭神経痛と呼ばれることがあります。緊張型頭痛や片頭痛の一部として、小後頭神経が関与することもあります。

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