神奈川県指圧師会の11月野外研修会では、横浜にぎわい座で開催される「第八十七回 上方落語会」を鑑賞します。 言葉と所作だけで情景を立ち上げる話芸は、観察力・間の取り方・呼吸の合わせ方といった臨床にも通じる感性に通じるかも。演芸の本場・上方の空気を横浜で味わいながら、大笑いのひと時をすごしましょう。
【野外研修会概要】
2025年11月9日(日)
集合:桜木町駅 11時半
近隣でお昼ご飯
横浜にぎわい座 十一月興行 第87回上方落語会
13:30開場 14:00開演
料金:3,200円
※ 要申し込み
参加人数の把握が必要です。
Peatixでお申し込み、もしくは、幹事 野田さんまでご連絡ください
野外研修会 11月 横浜にぎわい座「第八十七回 上方落語会」を鑑賞する | Peatix
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【みどころ】
ベテランから新進気鋭までが一堂に会し、軽妙な滑稽噺から情趣のある人情味まで、上方情緒をたっぷり堪能できる構成です。古典のツボを押さえた噺が並ぶため、落語が初めての方にも入りやすく、経験者にも聴き応えがあります。
【10名以上で団体割引】
チケットは全席指定で、10名以上で割引になります。当日はまずお昼ご飯をたべてからにぎわい座へと向かいます。参加人数把握のため、Peatixにて参加申込または幹事 野田さんまでご連絡ください。
各演目と出演者の特徴
各演目と出演者の特徴を、初めての方にも内容が想像しやすい程度まで噛み砕いて説明します。番組の並びは主催ページ記載の順序です。
笑福亭呂翔「米揚げ笊」は、上方の町場を舞台に“笊(ざる)売り”の新米が教えられた売り口上を頼りに悪戦苦闘し、やがて堂島の米相場の町で“米を揚げる笊”という縁起に乗じて騒動になる軽喜劇です。言葉の「上(あ)げる/下(さ)げる」の機知や、間合いで笑いを増幅させる類の古典で、若手の呂翔が素直な明るさで立ち上げやすい噺でもあります。あらすじの要点は、売り声の工夫→相場師とのやり取り→言葉の取り違えからの顛末、という三段運びです。 なお呂翔は2017年に笑福亭呂鶴へ入門した松竹芸能の若手で、伸びのある語り口が持ち味です。
桂弥っこ「狸の賽」は、助けた狸が“恩返しに何にでも化ける”と言ったのを良いことに、賭け事好きの男がサイコロに化けさせることから転がり出す奇想の噺です。小道具(賽)の擬人化と心理の綾で笑わせ、最後に化かし合いの収束でスッと落とす類型に属します。古典としての骨格は、狸の報恩譚と賭博趣味の風刺の合流点にあり、初心者でも筋を追いやすい構造です。 弥っこは米朝一門の新世代で、2014年入門。端正な口跡と温度感のコントロールに定評があります。
桂慶枝「下町の散髪屋さん」は新作で、相撲力士が引退の節目に“国技館ではない、ご縁の床屋で髷を落とす”というモチーフから生まれた人情味のある一篇です。理髪店の常連や商店街の面々がかいがいしく段取りし、夜には“町内版の断髪式”が営まれる――という筋立てで、笑いと温度がじわりと混じる現代口語の会話劇が核になります。作者・演者である慶枝(旧・桂三風)の実体験に根ざした創作である点も見どころです。
桂春之輔「お玉牛」は、紀伊と大和の境・堀越村を舞台に、村一番の評判娘“お玉”をめぐる若者騒動が、闖入者を“牛でひと泡”ふかせる趣向へ転じていく上方らしい地口・描写の快作です。農村の風物や粗忽者・茂平の勘違いが身体性の笑いに転化し、サゲの「モー」に至るまで緩急がよく効くのが聴きどころです。 春之輔は1996年入門、2023年に二代目を襲名した中堅で、骨太な古典運びを見せます。
笑福亭福笑「桃太郎」は、寝かしつけの昔話に理屈を差し挟む現代っ子との応酬で、物語が前へ進まない“ズレの喜劇”です。“昔々”“あるところに”といった定型句の意味づけをひっくり返す知的遊戯性が要で、親子の掛け合いのテンポが命。福笑の持ち味である古典の再解釈と爆発力がよく出る一席として、放送公演でもたびたび高い評価を得ています。
参考:公演情報・出演順は主催ページ、各演目の概説は落語事典系サイト・Wikipedia等、各出演者のプロフィールは公式ページ等を参照しました。
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